所属の変更について

昨年度(令和元年度)いっぱいで静岡大学教育学部を離れ,北海道大学大学院教育学研究院に赴任することになりました。


静大では教員養成課程に在籍し,学校の教員になる学生たちと一緒に臨床心理学,特に教育相談活動について実践や研究を行ってきました。

北大では臨床心理士,公認心理師の養成課程を持つ学部,大学院で,特に福祉臨床心理学を担当することになります。

改めて,よろしくお願いします。



静岡に赴任する前は北九州に住んでいました。

2011年3月12日に北九州から静岡に向けて荷物を送りだしたのですが,その準備をしていた3月11日,作業の合間で何気なくつけたテレビで東日本大震災の津波の様子を見ていました。

心理臨床家としては被災した人たちのことを考えなければならないのだと思いますが,自分の引っ越しは無事にできるんだろうか?静岡は大丈夫なんだろうか?ということを考えて,不安の中で引っ越しをしたことを思い出します。

静岡の家に荷物を積みだす前夜には富士宮で震度6弱の地震があり,ビジネスホテルの部屋で,このまま知り合いのいない静岡で被災したらどうやって生き延びればいいんだろう?とさらに不安を大きくしていました。


あれから10年近くが過ぎ,静岡での生活もとても気に入っていましたが,残りの研究者としての時間を考えると,社会的養護の領域で活躍できる実践者,そして何よりも研究者の養成に携わりたいという気持ちが少しずつ大きくなっていました。

そんな時に北大の公募があり,縁あって北海道に来ることになりました。

ところが,今回も引っ越しの時期が近付くにつれ,北海道で新型コロナウイルスの感染が広がり,1回目の緊急事態宣言が出されました。そして,大学は少なくともGWまで休講となったり,オンラインを駆使した教育が求められたりする状況になってきました。

慣れない中で慣れないことをするというのは本当にストレスフルなことなんだ,ということを身をもって感じていますが,同時に他の人たち(先生たち)よりも異動のためにそもそも混沌とした状況なので,まぁ,いいか,という感じでもあったりします。


ただ,北九州から静岡に来た時にも感じていたことですが,東日本大震災の時も,今回も正直自分のことで精いっぱいで,この状況で臨床家として,研究者として何が貢献できることは… ということになかなか頭が回らないことに無力感も感じたりしています。


10年後,自分は何をしていて,今のことをどのように振り返っているのだろうな?と少し俯瞰して”今”を見ながら毎日を過ごしてみようと思います。