【シンポジウム】『道内の社会的養護経験者の“その後”と パーマネンシー保障の在り方』開催の報告

昨年末,12月27日に【シンポジウム】『道内の社会的養護経験者の“その後”と パーマネンシー保障の在り方』を対面+オンラインで開催しました。80名以上の方からお申し込みをいただき,想像以上の反響に驚きながらの開催でした。


このシンポジウムは北海道開発協会の研究助成を受けて開催されたものですが,その助成研究における共同研究者である今西さん(札幌大谷大学)から北海道内の児童養護施設児童がその後,どこでどのように(就労か就学か)暮らしているかについての調査結果を報告してもらいました。それによると多くの子どもたちが就労や就学を機に縁もゆかりもない地域(特に札幌近郊)に移住してきていることがわかります。

2人目の話題提供者として登壇していただいた北海道の自立支援コーディネーターの安田さんからは自立支援コーディネーターとして出会う社会的養護経験者たちの実情についてのお話をいただきました。特に安田さんがお話してくださった中で,ケアリーバーたちは「目的がある」「頼りたい人がいる」「良い思い出や印象がある」という3つの要素をもとにケアを離れた後の居住地を決定しているということをご説明くださいました。

3人目として私(井出)がこの1年間に行ってきた道内の社会的養護経験者,支援者等へのインタビュー調査の結果をご報告させていただき,特に地方でどのように社会的養護経験者の雇用を生んだり,生活場所を確保したりする取り組みが行われており,それがどのようにパーマネンシー保障につながっているのかということをお話させていただきました。

ここまでが設定としては第一部で,第二部は実践編でした。

実践編,おひとり目の話題提供者は社会的養護経験者でもあり施設職員でもある根本さんから,社会的養護の支援者から見た社会的養護児童の自立ということをお話しいただきました。

お二人目は十勝でスマイルリングというNPOを運営され,ケアリーバーの住まいを提供したり,地域に雇用を生み出したりするようなネットワークづくりに取り組んでいらっしゃる堀田さんにご登壇いただきました。

最後は国内では社会的養護児童の就労支援として先駆的な取り組みを重ねてこられているNPO法人フェアスタートサポートの永岡さんにお話をいただきました。


年末に3時間という長丁場の研修でしたが,あっという間で時間が足らない感じでした。

詳しくは北海道開発協会に提出する報告書を作成する課程でいろいろな文書にまとまっていくと思いますので,またご報告させていただく予定です。


当日,ご参加いただいた皆様,ありがとうございました。