第13回福祉心理学会

昨日,今日と2日間,日本福祉心理学会第13回大会が開催されました。
今回は,自主シンポジウムとポスター発表をしました。

自主シンポジウムのテーマは『社会的養護を要する子どもの心理的成長を支える』でした。
これまでAttachmentやトラウマといった,どちらかと言うとマイナスからの回復に焦点が当てられてきましたが,今回はもう少し強みやレジリエンスといった側面に焦点を当ててみようとする試みでした。

今回は企画者と司会者を務めさせて頂き、九州女子大学の大迫先生、国立武蔵野学園の大原先生、児童養護施設チルドレンズホームの綱川先生に話題提供をしていただきました。また、指定討論者には学会の理事長である東京家政大学の網野先生にご登壇頂きました。

福祉を表す言葉としてwellfareという言葉が使われますが,これはどちらかと言うと,人並みの生活を保障しようという考え方です。
それに対して,well beingはより良い生活を目指そうとする考え方です。
どちらも大切ですが,福祉心理学という学問の領域では,今後特に,well beingについて考えていく必要があることを再認識しました。



ポスター発表のテーマは『児童養護施設で暮らす中高生児童のレジリエンスの様相』でした。
近年,レジリエンスの重要性が強調されるようになってきていますが,施設の子どもたちのレジリエンスに関する調査はほとんど行われていませんでした。日本で施設の子どもたちのレジリエンスを調査した初めての研究結果です。







福祉心理学会は小さな学会なので,毎回,なじみの方ともお会いできて,たくさんエールを頂けます。
他の方の発表も面白かったです。研究者と臨床家がいい感じで混ざっているなぁと思います。
今回も刺激とエールを頂きました。

ide LAB.

北海道大学大学院 教育学研究院 臨床心理学講座 福祉臨床心理学研究室