強みについて考えよう・好きなこと,興味があることから職業を探そう

今年度のキャリアカウンセリングプログラム3回目。

今回は1つのグループは『強みについて考えよう』がテーマでした。
I am,I have,I canというレジリエンスの3つの領域に基づいて作成した私たちが持っている(かもしれない)「強み」が書かれたカードを「今,持っている」「近い将来,持っていたい」「おとなになった時,持っていたい」という3つのグループ(と,「私には不要」)に分けてみようというワークです。
5人の子どもたちが黙々と作業してくれるのですが,この施設ではすでにキャリアカウンセリングのグループを始めて4年目になることもあって,子どもたちが自分の将来や自分の強みについて考えることが日常化してきているように感じます(手前味噌ですが…)。



もう1つのグループでは『好きなこと,興味があることから職業を探そう』がテーマでした。
自分が好きなこと,興味があることを考えてみて,それに関係することってどんなことかな?というところから職業を探してみようというワークです。村上龍の『13歳のハローワーク』を使いますが,いつの間にか,子どもたちが本を真剣に読み込んでいます。「仕事なんて面倒くさい」「楽な仕事がいい」「大学とか行かなくてなれる仕事がいい」という言葉も聞かれますが,複数年経験している子どもは自分の夢や目標も添えて,こんな職業を調べたよ,と発表してくれました。



昨年で修了したのに,「キャリアがあるけど塾入れちゃった」とまだキャリアカウンセリングをやっている気持ちでいる子。
試験前だから塾に行って勉強もするけれど,キャリアもやりたいから,と時間を半分ずつに自分で分けて参加してくれる子。

こういう効果って図りにくいけれど態度の「日常化」って大事なことなんですね。
評価する方はどうしても短期間で評価しがちだけれど,子どもたちの文化,それを取り巻くおとなの態度など,コミュニティの風土が変化して初めて「日常化」した効果が見えてくるような気がしています。

ide LAB.

北海道大学大学院 教育学研究院 臨床心理学講座 福祉臨床心理学研究室