映画「さとにきたらええやん」と講演会

昨日,静岡大学人文社会学部が主催した映画「さとにきたらええやん」の上映会イベントに参加してきました。
一応,私も企画,運営側ということでお手伝いもさせていただきました。



「さとにきたらええやん」は大阪府西成区の釜ヶ崎にある「子どもの里」というところを舞台にしたドキュメンタリー映画です。
→子どもの里(http://www.eonet.ne.jp/~kodomonosato/
子どもの里は,何十年も前に荘保共子さんが,労働者の町である釜ヶ崎に子どもの遊び場を作ろうと考えて始めたもので,今では遊び場,学習の場,緊急一時保護の場,里親ファミリーホーム,保護者支援の場等,ワンストップの児童福祉機能を備えた場所になっています。映画には,そこで暮らしたり,通ってきたりする子どもたちや,その家族,釜ヶ崎で暮らすホームレスの方たちの姿と彼らの成長が描かれています。

子どもの里の機能や荘保さんのお話をうかがっても,釜ヶ崎のネガティブな側面ではなく,釜ヶ崎で暮らす子どもの力や可能性,釜ヶ崎という場所の持つ力や魅力に焦点化した取り組みをされていることがわかりますし,映画を見ていてもそう感じました。
釜ヶ崎に遊びに行ってみたいな,と思わせるような映画でした。

個人的には子どもの里は,個人のレジリエンスだけではなく,コミュニティの持つレジリエンスもうまく活用している取り組みだと感じました。

今回は映画の上映と荘保さんの講演だけではなく,静岡で子どもの問題に取り組む活動をしている方たちにも集まってもらい,お話を提供してもらいました。長い時間はとれなかったのですが,静岡にもいろいろな取り組みをしている人がいます。子どもの里のように1か所だけでいろいろな機能を持つのはなかなか難しいです。なので,静岡ではそうした活動をしている方たちのネットワークを作りながら子どもを守り,育てる地域づくりを進めていけたらいいなと感じました。

ide LAB.

北海道大学大学院 教育学研究院 臨床心理学講座 福祉臨床心理学研究室