キャリアカウンセリングと当事者中心の支援

社会的養護の子どもたちのキャリア・カウンセリングをやっていると,「でも,そんなに子どもに実現もできないような夢を見させて,子どもができもしないような目標を立てたらどうするのか?」という指摘をする人(専門職)がいらっしゃるのですが,その考え,その言葉自体が,子どもたちの可能性を摘み取ってきたという自覚を持ってほしい。それが社会的養護の子どもたちが直面している”壁”であり,”限界”を作っているのだと思います(そもそも夢を見させているのではない)。



実現できるかわからないけれど,子どものこうなりたい,こういうことやってみたいという声を拾って,可能な範囲でそれを実現できるように支援していくことがあなたの役割でしょうよ?と問いたくなる。もうちょっと当事者の声を中心に据えた支援について考えてほしい。

怒りながらも,キャリア・カウンセリングを通じて,子どもたちが「こうなりたい」という考えを持てるようになることは,当事者中心の支援を作っていくことにもつながっているんだということに気付かされました。

ide LAB.

北海道大学大学院 教育学研究院 臨床心理学講座 福祉臨床心理学研究室