授業での施設訪問

最近,授業の一環としていくつかの施設を学生と一緒に訪ねました。

1か所目は,普段からお世話になっている児童養護施設とそこに併設されている児童家庭支援センターです。
これは,「心理検査・測定法」という授業の一環として訪ねました。

「心理検査・測定法」では,心理学を専攻する学生と一緒に知能検査を中心とするアセスメントツールについて学びます。でも,使い方や解釈の仕方だけ学んでも仕方ないので,まずは実際の現場でアセスメントがどのように行われ,それをもとにしてどんな風に支援が展開されているのかを知るために,児童家庭支援センターのケース会議に参加させていただきます。学生たちはオブザーバーなので,会議中にお話をすることはできませんが,普段から現場で子どもたちを支えている方たちがどんな風に支援について話し合っているのかを臨場感たっぷりに体験してもらうことができたと思います(もちろん,この時間の前には倫理についてしっかりと学びます)。



もう1か所は大学院の授業で国立武蔵野学院を訪ねました。
日本に二か所だけの国立の児童自立支援施設で,私も訪問するのは初めてでした。
広大な敷地の中に生活,教育,治療に関する建物があり,さらには田畑や動物飼育のスペースなどもありました。
訪ねるまでのイメージは,正直言って,とても監視の厳しい場所なんだろうな,という感じでしたが,むしろとても穏やかな場所で,人と環境を感じることができる場所でした。今,はやりの言葉でいうと「マインドフルネス」ですね。あ,でも,確かに,地域ではとにかくいろんなところに頑張って(突っ張って)いなければいけなかった子どもたちが,人や自然,生活そのものに開かれていくという意味では,マインドフルネスをするための場所のような感じなのかもしれません。
あと,もう1つ印象に残ったのは教育でした。一般的な児童自立支援施設と同じく地域の公立学校の分教室が設置されていましたが,その教育の在り方は勉強になりました(ここで詳細について述べるのは控えます。もし興味があれば個人的にお尋ねください)。

ide LAB.

北海道大学大学院 教育学研究院 臨床心理学講座 福祉臨床心理学研究室