”じょうたん”心理部会の講演で気付いたこと

先日(と言ってもずいぶん時間が経ってしまいましたが…),全国児童心理治療施設心理部会で基調講演をさせていただきました。 心理治療施設とは,これまで情緒障害児短期治療施設(情短施設)と呼ばれてきた施設です。



今回は以前,私が勤めていた熊本の施設が開催担当施設という事でお声をかけて頂きました。地震の後,復興が進む熊本で,このタイミングでお話をする機会を頂いたことには少し宿命的なものを感じました。



じょうたん(児童心理治療施設を略すと児心施設ですが、それはあんまりだろという事で,定着している"じょうたん"を平仮名表記で略称とするみたいです)は,児童福祉における心理治療の最前線だと思っていますし,そこで働く心理の方たちもエキスパートだと思っています。そんな方たちにどんなお話ができるかな?とこの一年ずっと考えてきました。でも,結局は自分の中にあるものしかお話しできないので,これまで私が取り組んできたことを中心にお話をさせて頂きました。



話をさせて頂くにあたって,改めて自分がやってきたことや考えてきたこと,学んできたことを整理してみると,自分がやってきたことには何本かの柱があって,(良くも悪くも)そこから大きくはぶれていないんだなぁということに気付かされました。自分がやっていることを「それはソーシャルワークでしょ」と言われれば「あぁ,そうだな」と思うし,「臨床心理学的だね」と言われれば「あぁ,そうだなぁ」とも思います。でも,「自分が子どもにとっていいと思うこと」をやってきたことには間違いがないようだし,それがソーシャルワークであっても,心理学であってもどっちでもいいや,という感覚なんだなと思いました。

ide LAB.

北海道大学大学院 教育学研究院 臨床心理学講座 福祉臨床心理学研究室