日本人間性心理学会ワークショップ『生い立ちに困難を抱える子どもの“時間”をつなぐ -社会的養護における心理的ケア-』

週末は日本人間性心理学会の年次大会が開催されました。

今回はコロナの影響でオンライン開催でした。


今回はワークショップと研究発表の座長の役割を頂いていましたが,オンラインなのでどうなるかなぁ…と思っていました。研究発表はプレイセラピーをPCAの立場から考えるテーマのものでしたが,発表者がとても丁寧に自分の体験と向き合ってくださったことを報告してくれたことや,参加者からの発言も盛んだったことからよい時間だったかなと思っています。PCAの流れ(RogersやAxlineの流れ)をくむプレイセラピーは,最近はChild Centered Play Therapyとして体系化されて発展しています。ちょうど前期に大学院の授業でAxlineをみんなで読んだのですが,読めば読むほど身動きしにくくなる感覚があって,もっと日本的なPCAのプレイセラピーを考えていく必要があるよね,と話していたので,個人的にはとてもタイムリーな発表でした。

何より,座長として若い人の臨床や研究に触れさせていただけるのはとても刺激的で楽しい時間でした。


ワークショップの方は,オンラインで5時間だし,参加者も少ないだろうなと思っていましたが,そこそこ参加してくださる方もいらっしゃいました。

今回は福祉心理学の視点(welfareだけではなく,well-beingも)から社会的養護の心理臨床をとらえるとはどういうことかという事をベースにして,生い立ちに困難を抱える子ども(社会的養護の子ども)の時間的展望を軸に彼らの暮らしや育ちを支える理論,具体的な実践を紹介させてもらいました。


特にバランスが取れた時間的展望を持てるようになるために,どんなことが必要なのかな?という事に焦点を当てましたが,こうやって話をする機会を頂くたびに自分の中でも理論化が進んでいく感じがするので,ありがたい機会でした。