【授業・ゼミ】ゲストスピーカー@福祉臨床心理学

学部で開講されている福祉臨床心理学の講義は,現在のオンライン(zoomで)での開講です。前半部分は児童虐待をテーマにしながら福祉心理学の考え方や支援の在り方についてお話してきましたが,後半は3人のゲストを授業にお招きしてお話を伺い,具体的に考えてみることに取り組んでいます。


対面だとなかなかできないですが,オンラインなので遠く離れた方をゲストにお招きすることができるので,いろんな方のお話を聞くことができます。


ひとり目は社会的養護経験者。まずは経験者に聞いてみよう,ということでお話をしてもらいました。やはり受講者にとっては実際の体験談のインパクトは強かったようで,授業の中で,終了後のコメントペーパーでいろんな質問が出ていました。いつもはどんなにお願いしてもzoomのカメラをONにしてくれない学生さんたちもONにして話を聞いてくれていました。


ふたり目はカンボジアの児童養護施設の運営者。私はちょっとへそ曲がりなところがあるので,日本でリスペクトされている(?)欧米の話だけではなく,それ以外の国や地域の話にも触れてみたいと思いました。そこで,以前,見学をさせていただいたカンボジアの児童養護施設(スナーダイ・クマエ)を運営されているメアス博子さんにゲストとして来ていただき,カンボジアの児童虐待や児童保護,施設養育をめぐる状況について伺いました。スナーダイ・クマエという施設の名前は「カンボジアの人の手で」という意味だそうなんですが,その名の通り,いろんな試行錯誤の中でカンボジアの文化に沿ったケアを作り上げられてきた様子をうかがうことができました。コロナが収まったら学生と一緒にスタディツアーをして現地の大学との交流もやれたらいいなと思っています。


来週はゲストスピーカーの最終回。3人目は私が大学生の頃からお世話になっている,子どもの虐待防止,子どもの権利擁護に取り組んでいる方にお越しいただきます。

ide LAB.

北海道大学大学院 教育学研究院 臨床心理学講座 福祉臨床心理学研究室