【研究論文】『児童養護施設における将来展望を育む自立支援についての実践研究』

CCPの実践について,その効果を検証した論文『児童養護施設における将来展望を育む自立支援についての実践研究』が子どもの虐待とネグレクト,20(3)に掲載されました。




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(抄録より)
本研究では,児童養護施設児童に対する自立支援として,グループアプローチによるキャリア・カウンセリングの実践を開発し,5年間にわたる実践をもとに.その効果と意義を検討した。効果の測定には時間的展望尺度と自尊感情尺度を用い,参加群と統制群の事前.事後の得点を二要因分散分析により分析した。その結果,「将来への希望」因子得点の高まりは認められなかったが,将来への志向性が強まると共に現在の生活に対する空虚感が低減する効果があることが認められた。キャリア・カウンセリングを通して,子どもが自分の将来展望やキャリア形成について語るようになることは彼らの意見表明を促進し,子ども中心の目立支援を進める意義があることが示唆された。また, グループアプローチの方法を用いて施設内の集団力動を活用することにより,将来について考える作業への取り組みに消極的な児童の自立支援への参加に役立つ可能性があることが示唆された。(子どもの虐待とネグレクト, 20(3); 359-368, 2019)

ide LAB.

北海道大学大学院 教育学研究院 臨床心理学講座 福祉臨床心理学研究室