日本福祉心理学会第17回大会@東京家政大学

11月23日,24日に東京家政大学板橋キャンパスで日本福祉心理学会第17回大会が開催されました。

今回はいろいろな役割を頂きました。
「社会的養護を要する子どもの心を育む『地域との連携』」と題された自主シンポジウムでは一般市民の理解,学校教育との連携,里親の普及啓発における連携といった話題提供者のお話を受けて指定討論者としてコメントする役割を頂きました。
また大会企画ワークショップでは司会として様々な立場の先生方にお話を振るという仕事を頂きました。




研究発表では共同研究も含めて3つの研究を発表しました。
1つは『児童養護施設におけるグリーフケアの実態とその必要性』です。
施設を対象にした調査からは施設職員が「死」に関することを扱うことがとても難しいと感じていることがわかりました。
まだまだ過去のトラウマにばかり目が向けられる傾向にありますが,今の生活の中で子どもたちが曝されるトラウマへの対応をしっかりと考えて行くことの必要性が示されていると思います。



2つ目は『地域との連携による自立支援 ~お仕事フェスタ,3年間の取り組み~』です。
社会的養護児童のキャリア・カウンセリング・プロジェクトの一環として行ってきたお仕事フェスタが子どもたちにとってどんな効果があったのかを質的研究によって明らかにしようとしたものです。子どもたちはいろんな仕事について知ることや,楽しく話を聞いて将来について考えること,体験して仕事の面白さを感じることをCCPの中で経験していることがわかりました。



3つ目は『特別支援学級・学級に通う子どもの自立を巡る里親の支援ニーズ』です。
支援学校や支援級に通う子どもを持つ里親さんたちにインタビューをさせていただき,その内容をテキストマイニングの手法を用いて分析することで支援級・学校に通う子どもを持つ里親さんたちがどんな支援ニーズを持っているかを明らかにしようとした研究です。
要約をすると,支援級・学校に通う子どもを持つ里親さん自身が,子どもたちがどんな進路,就労を選択することができるのかについての展望を十分に持っていないために,様々さ不安や困難さを感じているため,早い段階で児相や支援機関が情報提供をしていく必要があることが示唆されました。




書店では先日刊行された,翻訳に関わらせて頂いた『子どもの性的問題行動に対する治療介入──保護者と取り組むバウンダリー・プロジェクトによる支援の実際』も店頭に並べて頂いていました。