【研究論文】『性の多様性に開かれた養護教諭による健康相談活動』

日本健康相談活動学会誌 15(1)に『性の多様性に開かれた養護教諭による健康相談活動 米国スクールナース,スクールカウンセラーの基本方針を参考に』という論文が掲載されました。


副題にもあるように,米国のスクールナースとスクールカウンセラーの協会がそれぞれ示している基本方針をもとにして養護教諭がどのように性の多様性に開かれた学校づくりに貢献するかについて提言しました。

そもそも,米国には「養護教諭」という概念がありません。スクールナース(SN)という呼び名の通り,看護師の専門性に基づいた支援が行われています。それに対して養護教諭は教員としての専門性に基づいた支援を行います。身体的な健康だけではなく,児童生徒が学校生活を送る中で直面する様々な困難や精神面にも目を向け,彼らが有意義な学校生活を送ることができるように支援を行います。したがって,スクールナースだけではなく,心理面の支援を行うスクールカウンセラー(SC)の基本方針も参考にする必要があると考えられます。


SCとSNの基本方針から見えてくる養護教諭の役割として「基本的な知識を身につけること」「多様性に開かれた態度を身につけること」「アドボケートすること」「家族を支えること」「支援機関等に関する情報を提供したり,連携したりすること」「安心して過ごすことができる学校づくりを進めること」などに取り組むことが必要であるということが考察されました。


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北海道大学大学院 教育学研究院 臨床心理学講座 福祉臨床心理学研究室