里親リフレッシュキャンプ

九州のある街で開かれた里親リフレッシュキャンプに参加してきました。
10年ほど前に九州ぼうけん王のジミーと,社会的養護の子どもたちと一緒に無人島に行く10日間のトレックをやって以降,少しずつ,目的や形態が変わりながら,最近は毎年,里親家庭の里親さんと子どもたちのキャンプをするということをやっています。
(と言っても,私は当日お手伝いに出ることがあるくらいですが…)



家庭で生活することができない子どもたちが家庭的な環境で生活できるように里親家庭での養育が強く推奨されるようになっています。
一方で,そうした里親さんをどう育成するか,里親さんをどのように支えるかは未解決のまま残されている課題だと思います。
夏休みになると地域の里親さんたちが協力して,キャンプをするという話は結構いろいろなところで伺います。ところが,キャンプに行くと準備や片付けなどで里親さんたちがヘトヘトになって終わり,次回はもうやめようか…という話になることもあるそうです。
そこで,リフレッシュキャンプでは里親さんと里子さん一緒にキャンプに来てもらいますが,キャンプ中は基本的には親子は別々に過ごすことができるようにし,里親さんたちの負担を減らします。多くのボランティアスタッフがいて可能になることですが,ほぼ,マンツーマンで子どもたちと過ごせるくらいのボランティアを確保します。子どもたちはその時に自分がやりたいと思うことに,可能な限りチャレンジします。海で泳ぎたい,お昼寝したい,探検したい,工作したい… など。大人も子どももリフレッシュできるようなキャンプを目指します。
一方で里親さんはそうした子どもたちの姿を見ながら,日ごろなかなかできない,里親同士でゆっくり話す,ということをやっています。レスパイトと言って,里親家庭ではないところに子どもを預けて休息するという制度もあるのですが,私がお話しした里親さんは「子どもだけ別のところに預けて,自分たちだけ休もうと思っても,休めないよ」とおっしゃっていました。「子どもの姿が遠くに見えて,子どもも楽しく遊んでいることがわかると,気持ちも休まる」と,同じ場所で過ごしながら少し距離をとってゆっくり過ごすことができる距離感が大事なようです。

今のところ,この里親リフレッシュキャンプはジミーという“人”がいないとできない取り組みになってしまっているので,これをもっと別の場所でやるためにどうしたらいいかを伝えられるようにしていくことも大事だなぁと思っています。近いうちに身近な里親さんたちにお話をしてみようと思います。

ide LAB.

北海道大学大学院 教育学研究院 臨床心理学講座 福祉臨床心理学研究室